王子稲荷神社の創建は不詳だが、平安時代と思われる。1180年に源頼朝がこの神社に奉納を行った記録があり、遅くともそれ以前には神社として崇敬されていたことが分かる。
王子稲荷神社は、江戸時代に徳川家の祈願所のひとつに定められた。現在の社殿は11代将軍の徳川家斉(とくがわいえなり)から寄進されたもので、1822年に建立された。
江戸時代に庶民のあいだで商売繁盛の神様として稲荷信仰が広まり、王子稲荷神社も江戸名所として絵画に描かれるようになる。歌川広重は「名所江戸百景」で王子稲荷を描いている。
落語「王子の狐」では、王子稲荷神社の辺りに母子のキツネが棲みついているという設定。キツネが男を化かそうとするも、それに気づいた男に化かし返される。翌日、男が悪いことをしたと手土産を持ってキツネに謝りに行くというはなし。