鬼ノ城は、標高397mの鬼城山(きのじょうさん)山頂に築かれた古代山城。築城年に関する資料は現存しないが、発掘調査などから7世紀後半に大和朝廷によって築かれたとされる。
鬼ノ城跡は、温羅退治伝説の地にある。温羅(うら)とは吉備地方に伝わる「鬼」のこと。この地域の統治者であった「鬼」を、吉備津彦命(きびつひこのみこと)が退治したという伝説があり、これが桃太郎のルーツとされる。
ただし鬼ノ城は、実際には鬼の棲み家というわけではない。663年の白村江の戦いで、日本が戦った唐・新羅連合軍が攻めてきた場合に備えて、大和朝廷が築いた防御拠点のひとつという説が有力。