三井寺は、古代より近江国の周辺に住んでいた氏族・大友氏(おおともうじ)により7世紀に創建された。平安時代以降には、皇室・貴族・武家などから幅広く信仰を集めて栄えた。
三井寺の御本尊は弥勒菩薩で、金堂に祀られている。ただし、絶対秘仏であるため決して公開されない。この弥勒菩薩は、天智天皇が身近に置いて拝んでいた仏像と伝わる。
正式名称は、園城寺(おんじょうじ)という。天智天皇・天武天皇・持統天皇の誕生の際、この寺に湧き出す霊泉の水で産湯につかったとの伝承から「御井の寺」と呼ばれるようになり、それが転じて三井寺(みいでら)となった。
現在、金堂西側の閼伽井屋(あかいや)に湧く水が、実際に産湯に使われた御井(みい)とされる。
三井寺は延暦寺との抗争によって焼き討ちされたり、豊臣秀吉に寺領を没収されるなど、度重なる苦難を乗り越えて再生してきた。そうした歴史から、苦境を乗り越えて再生・繁栄する力をいただけるとされる。